「コマ割りまんがの父」とも呼ばれているロドルフ・テプフェールの代表作「M.(ムッシュー)ヴィユ・ボワ」の日本語版を刊行します。
【著者】ロドルフ・テプフェール(Rodolphe Töpffer)
【書名】M.(ムッシュー)ヴィユ・ボワ
【原題】Les amours de M.Vieux Bois(ヴィユ・ボワ氏の恋愛)
【判型】A4判、104ページ
■テプフェールについて
テプフェールは1799年1月31日にスイスのジュネーブに生まれ、作家、批評家、教育者、政治家など多岐にわたる活躍をした後、1846年6月8日にジュネーブで死去した。
小説や評論、紀行文などを発表しており、主に作家として知られている。
1827年に初めてコマ割りまんが「M.ヴィユ・ボワ」を描き、知人の間で肉筆回覧されていた。1830年には、それまでに描いていた作品が、知人を介してゲーテの目に触れるところとなり、高い評価を受ける。これがきっかけとなって出版の機運が高まり、1833年に「M.ジャボ」が出版された。以後次々と作品が出版され、ヨーロッパやアメリカに広く知られることとなった。
テプフェールは、現代的な意味での「コマ割りまんが」を事実上発明した人として知られ、後世にきわめて大きな影響を残している。
■「M.ヴィユ・ボワ」について
テプフェールの「M.ヴィユ・ボワ」は、主人公のヴィユ・ボワ氏の恋愛の顛末をコマ割りまんが形式で描いたもので、1827年に初めて描かれた後、1937年には描き改めた上で出版され、2年後にはさらなる改作版が出版されている。この1839年版が決定版となり、以後ヨーロッパやアメリカで何度も繰り返し刊行され続けている。
日本ではテプフェールのまんが作品が本格的に紹介されたことはなく、おそらく本書が本邦初訳と思われる。
内容は1839年版の復刻であり、すべてのページを原寸大で収録した。また、フランス語の原文はすべてオリジナルのまま残し、欄外に日本語を添えている。巻末には、解説や作品リストなどを収録した。